20160202

今日、生まれて初めて流れ星を見た。

仕事からの帰り道、ここ最近の懸念事項について同じことばかりを堂々巡りで考えて、心が暗くなって俯いたまま乗っていたバスを降りた。商店街の通りを抜けたと同時に、ふと空を見上げたら、晴れた夜空に星がたくさん輝いていた。ここ最近天気が良くなかったこともあるけど、まともに星空を眺めるのは久しぶりだなあと、静かな住宅街を上を向いたままゆっくりと歩いた。
星座はまったく詳しくないからオリオン座くらいしかわからない、あの周りの星はなんなんだろう、星座盤のアプリでもあったら使ってみようかしら、と考えながら眺めていたら、オリオン座の少し下を、光る何かがスッと横切ったと思ったらスッと消えてしまった。
「えっ、あれ、流れ星!?」
しし座流星群などの天体イベントをことごとく見逃してきた身のため、それが本当に生まれて初めて見た流れ星だった。
「すごい、流れ星って、流星群じゃなくても、こんな風にふつうに見れることってあるんだ」
あまりに突然だし一瞬すぎたから、願い事を念じる暇すらなかった。ただ、20年と少し生きてきて、初めて目撃したのが今というタイミングだったこと、その瞬間にイヤホンから流れていた曲のタイトルが「STAR TRAIN」だったということは、なんだかとても良くできた偶然のように思えたし、その偶然にすがってしまいたくなった。あの日から毎日ずっとずっと願っていること。だけど時間が経つにつれ、果たしてそれが叶うことが本当に「良いこと」なのかどうかもよくわからなくなってしまった。それでもこのまま手放してしまうことだけは絶対にしたくないから願うことはやめられなくて。

終わりが少しずつ見えてきてしまっていることにただただ恐れと不安しかなくて、大好きな人の顔すらもう忘れてしまいそうになっていて、ちょっとした偶然ですら奇跡に思えて大げさに大事にしたくなってしまう。それでも、他人から笑われようとも、この自分にとって「奇跡」とも呼べる偶然が、ほんの少しでもこれから先の未来への希望のきざしになってくれたらいいのにと、心から願わずにはいられない。

『手探りで夢をみる 何もない ただ信じて 宇宙までが遠いほど 片道切符を求めて』
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